似て非なるデザインと組版

最終更新日2023年8月3日

 

 

デザインと組版というものはコンテンツ(文字)を配置していくという点では似ていますが根本は似て非なるものです。

なぜこんなことを申し上げるのかというと組版にデザインを求められたり、デザインに組版的な対応を求めれたりと混同されることが多いからです。

 

もう少し詳しく書いていきますね。

まず組版ですがこの「組版」と言う言葉自体ご存知ない方もいらっしゃると思いますので組版についてからご紹介します。

組版とは書いて時の如く「版を組む」ことを指します。

活版印刷の時代に文字のはんこを原稿通りに組み上げていくこと指す言葉でした。

そのため字の送りなど割と厳密なルールに基づいて組んでいきます。

基本はもちろん文字を読みやすく美しく配置していくことを目指していくものです。

 

活版の印刷の時代以降、写研と呼ばれるハードウェアとソフトウェアが一体になったシステムを経て現在のアドビのアプリに落ち着きます。

(一部に自動組版などのシステムも存在します。)

組版を行う人を組版オペレーターと言います。

組版オペレーターは(簡単にいうと)決められたルールに基づいて文字を配置していくのが仕事であるというのは上記経緯をみていただければご理解いただけると思います。

 

一方でデザイナーは紙面全体を美しくデザインするのが仕事です。

文字も扱いますがそれはあくまで紙面を構成する一要素です。

文字のきれいな組み方よりも全体のデザインの美しさを優先します。

ここが大きな違いです。

 

両者は今のところほぼ同じアプリケーションを使っています。

もちろん同じではありますが使い方は大分違います。

そして一見して似たようなことをしているため組版オペレーターにデザインの要求が来てしまうということおきてしまいます。

(もちろんその反対もあります。)

 

印刷会社にデザインを依頼したらデザインが酷かったという話を聞くことがありますがこれは組版オペレーターに無理やりデザインをさせているからなので仕方がないことなのです。

もう少し裏事情を書いてしまうと一般に組版の単価の方がデザインよりも安いことが多く、この点もこういったことが起きる原因になっていると考えられます。

 

とはいえ餅は餅屋という様にやはり職能にあった仕事をした方が持っている力をきちんと発揮することができますし、最終的には発注したお客様のためにもなります。

デザインはデザイナーに、組版は組版オペレーターにがベストです。

 

 

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