東京薬科大学 学校案内 2013

東京薬科大学 学校案内 2013 page 69/108

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生命科学部S c h o o l o f L i f e S c i e n c e sTokyo University of Pharmacy and Life Sciences 68大学院・研究杉浦 歩 さん神奈川県立市ケ尾高等学校出身 ここ数年、ミトコンドリアが元気をなくすことが老....

生命科学部S c h o o l o f L i f e S c i e n c e sTokyo University of Pharmacy and Life Sciences 68大学院・研究杉浦 歩 さん神奈川県立市ケ尾高等学校出身 ここ数年、ミトコンドリアが元気をなくすことが老化や病気の原因ではと注目されています。私はミトコンドリア目線で健康を保つ仕組みについて研究しています。 研究室では同じ目標をもったメンバーと朝から夜までともに長い時間を過ごします。研究についての議論やお酒を交えた語らいなど、何ものにも代えがたいひとときだと感じています。 また、学会や共同研究などの場で外部の方と接する機会がありますが、そうした出会いを通じてさまざまな価値観に触れられたことは、今後の人生の大切な財産になると思っています。大学院で今注目のミトコンドリアについて研究しています生命科学研究科(現在カナダMcGill大学留学中)博士課程3 年研究トピックス 地球温暖化や原発事故を契機に、安全で地球にやさしい新エネルギーが注目を集めています。東京薬科大学では、生命科学のパイオニアとして、環境・エネルギー問題の解決に取り組んでいます。その一つ、生命エネルギー工学研究室の渡邉一哉教授らは、微生物を使った発電の研究を行っています。渡邉教授らは、科学技術振興機構の研究プロジェクトにおいて、土の中の微生物が有機物を分解してエネルギーを取り出し、それを使って発電することを発見しました。田んぼの土の中にいる微生物を使って発電するのが、田んぼ発電です。田んぼ発電は、他の新聞やテレビでも多数報道されています。 極限環境生物学研究室の山岸明彦教授らは国際宇宙ステーションで、宇宙塵や微生物を採集する実験「たんぽぽ計画」を計画しています。この計画が2012年1月21日の朝日新聞で報道されました。計画では、実験装置が2013年にH-IIBロケットHTVで打ち上げられる予定です。エアロゲルと呼ばれる特殊なスポンジ(写真下)を宇宙空間に曝露して微粒子を採集します。サンプルは1年後、2年後、3年後にロシアの宇宙船ソユーズで地球に持ち帰られます。持ち帰ったサンプルは、山岸教授の研究室の大学院生など全国の研究者が分担して分析することになります。詳細は「宇宙たんぽぽ計画」で検索してください。 アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患は、酸化ストレスによるミトコンドリアの機能低下が原因として注目されていましたが、そのメカニズムはよくわかっていませんでした。分子生化学研究室の柳茂教授のグループは、ミトコンドリア上に存在するユビキチンリガーゼという酵素が、酸化ストレスからミトコンドリアを保護しており、この酵素の働きが低下すると神経細胞が死ぬことを明らかにし,米国科学アカデミー紀要に発表しました。神経疾患ではこの酵素の働きが低下している可能性が高く、この酵素を活性化させるような新薬を開発すれば治療につながることが期待できます。 生態系保全や環境汚染評価に重要な淡水性の微小甲殻類であるミジンコのゲノム配列を、環境分子生物学研究室の研究グループ(山形秀夫名誉教授、時下進一講師、志賀靖弘助教)を含む国際研究共同体が解読し米科学誌Scienceに発表しました。この論文では、ミジンコゲノム中にはこれまでにゲノム配列が決定された動物の中で最も多い遺伝子が詰め込まれており、その多くが環境の変化に特異的に応答する遺伝子であることなど、他の生物で見られなかった多数の特徴が発見されています。これらの発見に基づいて、これまでの実験室内モデル生物の解析では検知できなかった遺伝子やゲノムの動的な性質を明らかにしました。田んぼ発電 地球にやさしい新エネルギーの研究が東京新聞の夕刊1面で紹介宇宙空間で微生物を探す:たんぽぽ計画が朝日新聞で紹介いまミトコンドリアが熱い!ミトコンドリアを標的にした新薬開発への研究が読売新聞で紹介ミジンコのゲノムを解読:研究成果がScience誌に掲載